調べる技術・書く技術(野村進)

調べる技術・書く技術 (講談社現代新書 1940)

調べる技術・書く技術 (講談社現代新書 1940)

物事の調べ方・書き方だけの本だと思ったら大間違い。本の題名は堅苦しい本でやり方ばっかりの退屈本だと思ってたから、その印象と読み進んでいく時の感覚とのギャップにやられた。印象が違いすぎる。いい方向への裏切り。題名と内容が違う訳ではない。ちゃんと調べ方・書き方を書いている。ただ特に後半、野村氏自身の過去の記事を参考例が続く。そのストーリー一つ一つが格別面白い。野村氏の存在を全く知らなかったが知りたくなった。

昨今のジャーナリストの質の低下に対して「最近の若者のジャーナリストは・・・駄目だ!」とかよくある事を言うのかと思ったらそうじゃなかった。批判する事は一切なく、蓄積したノウハウを後世に残そうとしている。後世に伝える文化がなくなっているのが原因だと野村氏は言う。

こんな謙虚さが必要なんだと思う。それが冷静に分析を進められる本当のジャーナリスト。いやーあまりに否定的な展開が正のような本の方が多すぎる。

周りを嘆かず謙虚に物事をみたら世界が違って見えてくるんだろうな。見方は要チェックだ。

前半-ノウハウ:すごくシンプル
後半- 参考例 :すてきな野村氏の記事たち

##野村氏の他の著書も読むぞ、と。