塩狩峠(三浦綾子)

塩狩峠 (新潮文庫)

塩狩峠 (新潮文庫)

主題は「犠牲」。
明治42年2月28日、北海道旭川塩狩峠で結納の日に自らの命を犠牲にして大勢の鉄道乗客を救った男子の実話をもとにした小説。割と描写は爽やかな印象。読むのは10代にお勧めだな。今の私にはもっと心を抉るような書き方がいい。三浦綾子はクリスチャンらしいから、モデルの男子への思いや愛をやたら感じる。キリスト教な本。犠牲についてより、明治時代にキリスト教が布教していく様子を知りたい人にお勧めだな。布教するのも何か納得。あと、手紙を書きたくなる。遺書も。

今のところ私は生きる上での核は自分で考えを導き出す無宗教論者なんだなー。でも、宗教はなんであれ信仰心って嫌いじゃない。すべて死から考えだされた哲学だと思うから。