もの食う人びと(辺見庸)
- 作者: 辺見庸
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1997/06/20
- メディア: 文庫
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うーん、辺見氏のように頭ではなく経験して感情と向き合うジャーナリズムを持ちたいんだが、辺見氏のような躊躇なく現地に飛びこみ続ける勇気はないな。飛び込めてもこんなに素直な感覚でとらえられないよ、私なら。「食う」という事が壮大な物事であると気づき、それから広がる物語をどんな危険なアンダーグラウンドな場所でも実際に経験する。そして食らう。それが辺見スタイル。エグい部分もあるが、それも辺見スタイル。
「食う」の周りには、いろいろな物語が隠されている。「食」とは(時代・場所関係なく)偉大なのである。
[冒頭] 人びとはいま、どこで、なにを、どんな顔をして食っているのか。 あるいは、どれほど食えないのか。ひもじさをどうしのぎ、耐えているのだろうか。 日々ものを食べるという当たり前を、果たして人はどう意識しているのか、いないのか。 食べる営みをめぐり、世界にどんな変化が兆しているのか。 うちつづく地域紛争は、食べるという行為をどう押しつぶしているか ……それらに触れるために、私はこれから長旅に出ようと思う。